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島沙参(シマシャジン)はキキョウ科ツリガネニンジン属(アデノフォラ属)の多年草である。
アデノフォラ属はユーラシア大陸に50種くらいが分布する。
日本にも釣鐘人参(ツリガネニンジン)などが分布し、属名の和名もツリガネニンジン属という。
なお、沙参(シャジン)というのは釣鐘人参(ツリガネニンジン)の中国名である。
本種は長崎県の平戸島と福江島に分布し、海岸の斜面に生える。
海外では、韓国の済州島にも分布する。
環境省のレッドリスト(2012)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。
草丈は10センチから30センチくらいである。
葉は長さ3センチくらいの卵形ないし長い卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は8月から10月である。
茎先に紫色をした鐘形の花を数輪つける。
花冠は長さ15ミリから20ミリの釣鐘形で、先が5つに裂ける。
花柱は突き出ない。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Adenophora はギリシャ語の「adenos(腺)+phoreo(有する)」からきている。植物体全体に乳液を出す腺細胞があることから名づけられた。
種小名の tashiroi は採集家「田代善太郎(たしろ・ぜんたろう, 1872-1947)さんの」という意味である。
写真は10月に京都府立植物園で撮った。
学名:Adenophora tashiroi
★普通では出合えぬ花がここにある
まさかままさかで島沙参咲く
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