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岩煙草(イワタバコ)はイワタバコ科イワタバコ属の多年草である。
本州から沖縄にかけて分布し、低山や山地の日陰や湿った岩壁などに生える。
海外では、台湾にも分布する。
和名の由来は、根際から生える楕円形の葉が大きく、「煙草」の葉に似ているというところからきている。
草丈は10~30センチくらいである。
根際から生える葉は楕円形である。
葉のつけ根の部分は翼のある柄となる。
葉の表面には艶があり、皺がある。
開花時期は6~9月である。
茎先に散形花序(たくさん枝が出て、先に1個つずつ花がつく)を出し、花径10~15ミリくらいの紫色の花を数輪つける。
花冠は短い筒状で、先が5つに裂ける。
裂片の先は反り返る。
中央に雌しべがあり、回りに黄褐色の雄しべが5本ある。
観賞用にも栽培され、白花や桃花などの品種がある。
花の後にできる実は披針形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
若葉を食用とする。
葉を乾燥させたものを生薬で苦苣苔(くきょたい)といい、胃腸薬としての効果がある。
俳句の季語は夏である。
属名の Conandron はギリシャ語の「conos(円錐形の)+andros(雄しべ)」からきている。雄しべが集まって円錐形になることから名づけられた。
種小名の ramondioides は「イワタバコ科のRamondia属に似た」という意味である。Ramondia属はヨーロッパの高山に生える植物である。
写真は8月に仙台市野草園で撮った。
学名:Conandron ramondioides
★花咲くをいつかいつかと待ち続け
紫色の花に出合いて

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