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植物図鑑ブログ

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蝦夷の唐打草(エゾノトウウチソウ)

蝦夷の唐打草(エゾノトウウチソウ)はバラ科ワレモコウ属の多年草である。
北海道固有種である。
日高、十勝、上川、胆振地方に分布し、山地の湿った岩場や川原などに生える。
環境省のレッドリスト(2007)では、「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」である絶滅危惧IA類(CR)に登録されている。
草丈は50~120センチと大形である。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)である。
小葉の数は9~13枚である。
根際から生える葉には長い柄がある。
小葉の形は細長い楕円形である。
つけ根の部分は心形ないし円形で、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6~8月である。
花穂は7~20センチくらいで長く、先は垂れ下がる。
花の色は紅紫色で、花径は5~6ミリである。
花弁はない。
4数性の植物である。
萼片は4枚ある。
雄しべが4本で、長さ7~10ミリと長い。
萼筒には4つ稜があり、白い毛が密生する。
雌しべの花柱は長さが3~4ミリである。
花穂の姿は、中部地方の高山に生える唐糸草(カライトソウ)とよく似ている。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの) である。
唐打草の名は、花糸(雄しべの花粉を入れる袋についている柄)を中国から渡来した絹糸に見立てものである。
属名の Sanguisorba はラテン語の「sanguis(血)+sorbere(吸収する)」からきている。根にタンニン多いので止血作用があるという評判から名づけられた。
種小名の japonensis は「日本産の」という意味である。
写真は9月に北大植物園で撮った。
学名:Sanguisorba japonensis


★赤い穂をだらり垂らして悠然と
 風に揺られる蝦夷唐打草


蝦夷の唐打草(エゾノトウウチソウ)

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