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谷地だも(ヤチダモ)はモクセイ科トネリコ属の落葉高木である。
谷地は湿地のことである。
「たも」は漢字では木編に「佛」と書き、霊(たま)ないし撓む木の転訛したものと言われる。
北海道から本州の中部地方にかけて分布し、山地の湿地に生える。
また、植林もされる。
海外では、朝鮮半島、中国東北部、サハリン、ロシア沿海地方などにも分布する。
樹高は20~30メートルである。
樹皮は灰白色で、縦に浅く裂ける。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、向かい合って生える(対生)。
小葉の形は細長い楕円形である。
小葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
雌雄異株である。
開花時期は4~5月である。
花弁のない紫色の小さな花をたくさんつける。
花の後にできる実は翼果(翼のある実)で、10月ころ緑褐色に熟する。
材は重硬で弾力性に富み、建築材や家具材などに広く利用される。
属名の Fraxinus はラテン語の「phraxis(分離する)」からきたセイヨウトネリコのラテン古名である。
種小名の mandshurica は「満州(中国東北部)の」という意味である。
写真は10月に北大植物園で撮った。
学名:Fraxinus mandshurica
★霊宿る巨木の前に佇めば
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