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蒲葵(ビロウ)はヤシ科ビロウ属の常緑高木である。
四国から沖縄にかけて分布し、海岸に近い林の中に生える。
海外では、台湾、中国の南部にも分布する。
漢字では「檳榔」とも書くが、この表記はビンロウ属の檳榔(ビンロウ:Areca catechu)と混乱する。
樹高は10~15メートルくらいである。
幹は直立する。
葉は円形で、手のひら状に深く裂けて垂れ下がる。
葉の長さは1~2メートルくらいあり、幹の先に集まって生える。
開花時期は春から夏である。
雌雄異株である。
葉の脇から枝分かれをした大形の円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、黄白色の小花をたくさんつける。
花は独特の臭気を放って昆虫を誘う。
花の後にできる実は核果(水分を多く含み中に種が1つある)で、秋に黒緑色に熟する。
沖縄では、庭木や街路樹とするほか、葉は扇や笠に利用し、若芽は食用にする。
属名の Livistona はスコットランドのリビングストン(Livingstone)の男爵だった「マレー(Patrik Murray, 1643-1671)さん」に因んで名づけられた。収集した植物がエジンバラ植物園の基盤になった。
種小名の chinensis は「中国の」という意味である。
変種名の subglobosa は「やや球形の」という意味である。
写真は11月に沖縄市の東南植物楽園で撮った。
学名:Livistona chinensis var. subglobosa
★美しい姿かたちの蒲葵椰子
暮らしに活かす知恵に守られ

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